スポンサードサーチで動的検索連動型広告を設定する

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2018年5月30日にYahoo!プロモーション広告にて「新しい流入」が期待できるものとして動的検索連動型広告が提供されました。ページにマッチしたキーワードで自動で広告を配信するものですが、キーワード管理が面倒!と考える方には良いでしょう。すでにアドワーズでは同様の広告はありますが、今回リリースされたその機能を試すべく早速動的検索連動広告を設定してみてまとめます。




動的検索連動広告とは

この広告はYahoo!プロモーション広告で新しい取り組みになる広告です。検索広告の一つで、従来の検索キーワード登録するものとは違い、広告のランディングページに設定したURLを元にそのコンテンツと関連性の高い検索キーワードに対して、タイトルを自動生成して配信されるものです。

従来のキーワード管理と比べるとはるかに管理工数が落ちることから、広告管理に手間がかけられないという方に向いていると言えます。

2017年9月のヤフーの調査によると、「過去6カ月に検索されたことのない新規検索語句の割合は33.1%でした。ユーザーの検索語句は日々移り変わっています。このことから一度登録したキーワードで半永久的に良い広告効果を維持することは非常に難しいと考えられます。」とアナウンスされており、それを解決するの位置付けとして動的検索連動型広告を推奨しています。

ただ、ページやサイトによっては向き不向きが存在します。

下記の内容であれば検索連動型広告広告の運用が向いています。
・「部分一致」等のマッチタイプでカバーしきれていないユーザーに配信したい
・ウェブサイトの情報が豊富で、多くの商材を扱っている
・品数が多く、商品の型番の全てをキーワードとして登録できない
・運用実績がなく、新規のサービスである

反対に、以下に当てはまる場合は動的検索連動型広告には適合しない場合があります。

・広告文を自らの手で作成したい、または管理したい(タイトルが自動で作成される)
・サービス規模が小さく、商品数も少ない(自動化の恩恵が少ない)
・掲載されるコンテンツが頻繁に変わる(更新内容が直ちに反映されるとは限らない)
・Flashコンテンツや画像などで構成されている(内容を自動で取得できない)
・IDやパスワードなどでログインしないと情報を確認できない(内容を自動で取得できない)
・リダイレクトしているURLである(内容を自動で取得できない)

特に画像中心でLPを作っているサイトもよくあるので、その場合はこの広告を使用するか考える必要があります。テキストがしっかり入ったLPがいいかもしれませんね。

検索連動型広告を登録する

検索連動型広告は従来のキャンペーン(標準キャンペーン)とは別物になっており、専用のキャンペーンを作り、そこにページフィードと呼ばれるものを紐づける必要があります。これは前述しているようにページを元にコンテンツと関連性の高いキーワードを使うため、ページ情報を正しく設定する必要があります。

ページフィードとは

キャンペーンを新規に登録しがちですが、最初に行うことはページフィードを登録する必要があります。ページフィードとは、動的検索連動型広告を配信する際に、プロモーション対象とするウェブサイトのURL情報のリストのことで、アカウント単位で管理され、キャンペーンタイプ「動的検索連動型広告キャンペーン」のキャンペーンに関連付けて利用します。

このページフィードは「ドメイン」「ページURL」「カスタムラベル」の3項目で構成されています。手順としてはアカウントにまず「ドメイン」を登録、そのドメインにフィードのページURLやカスタムラベルを記述したファイルのアップロードをすることになります。

ドメイン

ドメインとは登録するページURLのドメインに当たる部分のことで、1フィードにつき1つ登録します。

ページURL

ユーザーが動的検索連動型広告をクリックした際に表示されるページ、つまり広告の飛び先となるページです。ページURLは1アカウントにき150万件まで登録可能。このURLドメインは前述のドメインと同じものである必要があります。

そしてここで一つ注意点があり、ここのページURLに登録する部分ですが、URLに解析用のutm_mediumやtm_sourceといった記述ができなくなります。なので、解析用にパラメータを仕込む場合はキャンペーンや広告グループ、広告の設定に仕込むと良いでしょう。

カスタムラベル

カスタムラベルとはページURLをグルーピングするための文字列を指定するためのラベルです。実際の広告の運用を考えるとECサイトのように商品に合わせて様々なランディングページがある場合、広告グループで指定する「ターゲット設定」でカスタムラベルを指定することで、ページフィードに登録したページURLの中から、広告をクリックした際に表示されるページを絞り込むことができます。つまり広告グループにマッチした飛び先の広告を簡単に設定することができます。

このカスタムラベルは20文字以内であれば半角英数記号だけでなく日本語でも登録ができます。カスタムラベルを複数登録する場合は半角セミコロンで区切り、一つのURLに対して最大10個まで登録することができます。

例えば以下のように登録したとすると

ページURL カスタムラベル
https://ash-d.click/listing/ 販促;広告
https://ash-d.click/analytics/ 販促;解析

広告グループのターゲットに「カスタムラベルが解析と等しい」に設定すると https://ash-d.click/analytics/ が広告グループに紐付く広告の飛び先となります。また「カスタムラベルが販促と等しい」にすると両方のページで広告が配信されます。

ページフィードのCSVを作成、登録する

登録するページURLが https://ash-d.click/listing/であれば https://ash-d.click/ の部分に当たります。

1.登録するフィードの名前とドメインを記入します。まずツールより「ページフィード」を選択して任意のフィード名とドメインと登録します。

2.管理画面から登録したドメインのページフィード管理のタブからアップロードを選択します。

3.テンプレートをダウンロードします。

4.ダウンロードしたテンプレートを開き、ページURLとカスタムラベルを記入していく

5.アップロードの画面のアップロードタイプで「新規登録・置換」を選択、作成したファイルをアップロードします。

アップロードしたフィードは審査され、通らない場合は修正後に再審査が必要になります。

キャンペーンの作成

ページフィードを作成すると次は専用のキャンペーンを作成する必要があります。

1.キャンペーンを追加し、「動的検索連動型広告キャンペーン」を選択する。

2.ページフィードの設定が出現するので、作成したページフィードを選択します。

3.そのほかの設定は従来のキャンペーンと同じで、設定ができたら保存します。

広告グループの作成

動的検索広告用のキャンペーンができたら次は広告グループを作ります。ここで従来の広告グループと違うところはターゲットをページフィードから選ぶことになります。

1.ターゲット設定(配信)を選択します。

2.上記のような画面が出るので配信したい広告のページに合う条件を設定します。ページフィードにカスタムラベルをつけている場合はそのカスタムラベルで指定ができるほか、条件を設定すれば特定のページを対象に配信することもできます。特に指定がない場合はすべてのウェブページを配信対象にすることで、フィードに登録した全ページに合わせた広告を配信することができます。

3.そのほかの設定ができたら保存します。

もし、解析するためにPCとスマホのURLを別にする場合、ここでPC用とスマホ用の広告グループを作り、デバイスの配信設定で調整することになると思います。と、言うのもこの検索連動型広告ではページURLを先にページフィードで登録するため、広告単位でPC用とスマホ用を同時に設定することができません。

広告の作成

次に広告の作成です。この検索連動型広告ではページに合わせてタイトルが自動で生成されますが、タイトル下の説明文については自分で登録する必要があります。ここは従来の広告のように設定します。

1.広告作成を選択します。

2.従来の広告作成画面と同じようなものが出てくるので、ここで説明文を登録します。タイトル・最終URL・表示URL・スマートフォン向けURLは登録ができません。

3.保存します。

検索連動型広告を使いこなす

このようにページフィードのところで若干の抵抗を感じるかもしれないが、キーワードの管理の手間を考えると積極的に使っていきたいところです。ただ、公式ラーニングポータルでも謳ってありますが、キーワードの網羅性が⾼いということは、広告主が意図しないキーワードで配信される可能性が少なからずあります。なので、これまで実績のある除外キーワードの追加設定のほか、ページ上にある全く関係ないキーワードなども除外した方が良いかもしれません。いや、運用段階ではキーワードの除外がキモと言えるでしょう。

うまくこのキャンペーンを使うことができれば「部分一致」等のマッチタイプでカバーしきれていないところにリーチして、予想外のコンバージョンが取れるキーワードを見つけることができるかもしれませんね。




About Daigo Hirano 52 Articles
広告代理店や飲食業を経てECへ。熊本を根城にしてウェブ解析やウェブ広告の運用代行、SEOコンサルタントなどウェブ集客に特化した広告代理店をはじめました。 ウェブ広告はGoogle広告、Yahoo広告などのリスティング広告のほか、Facebook広告などSNS広告も行っております。 熊本・福岡・東京を中心に、大手代理店にお願いできない中小企業にスキルと知識を用いて集客支援をしています。

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