Googleがモバイルに力を入れるようになり、それ以降モバイルフレンドリーやモバイルファーストインデックスといったユーザーエクスペリエンス向上のための施策が行われてきました。Googleが開発をしているGoogleアプリやAndroid端末も例外ではなく、フィードが追加され、のちにDiscoverと名前を変えました。一般にはあまり耳馴染みのないDiscoverですが、SEOは使えるのか?どのようにすれば狙えるのか?を説明します。
Discoverと検索の違いとは
冒頭にも書きましたが、あまり耳馴染みのないDiscoverですが、基本的にはGoogleで開発されたアプリやモバイルで表示されるフィードのことです。検索エンジンとして君臨するGoogleですが、モバイルユーザーのために開発したのがこのDiscoverです。このDiscoverには、検索などを通じてGoogleが集めたユーザーの興味関心を元に記事や動画が表示されます。つまりこれはユーザーの検索する手間を省き、好みの情報を提供する仕組みになっています。
この部分が大きく違っており、キーワードに関連する有益な情報が提供される検索と、Googleが自動で判断してユーザーに合っていると判断されたコンテンツが自動で表示されるDiscoverではそもそもの立ち位置が違います。
検索結果に表示される結果は主にウェブサイトのストック型コンテンツであり、Discoverには新しく公開されたフロー型のコンテンツが定期的に更新されて表示されます。検索しても新しい情報にたどり着くことはありますが、例えばお気に入りのスポーツチームやニュースサイトなどフロー型コンテンツが表示されるDiscoverであれば検索すら必要がありません。
また、表示される場所も大きく異なります。検索は検索結果のページに表示されますが、Discoverの表示にさせ方は3パターンあります。
- Googleアプリを使う
- Android端末(スマホ・タブレット)でGoogle.comにアクセスする
- 一部のデバイスの場合、デバイスのホーム画面を右にスワイプする
ちなみにGoogleアプリやChrome、またはGoogle.comにアクセスすることでウェブとアプリのアクティビティをコントロールしてカスタマイズすることが可能です。
SEOは効果があるのか?
検索機会が減るということは検索広告やSEOに対して若干の影響は考えられます。広告に関して言えばファインド広告を使ってDiscoverに広告を表示させる機会はありますが、検索機会の損失で失われたインプレッションはカバーできません。そもそも検索結果に表示されるというものでもないのでSEOですらありません。
できれば積極的に獲得したいDiscoverからのトラフィックですがGoogleは以下のように明示しています。
このような Discover の偶発的な要素を考慮すると、Discover からのトラフィックは検索と比べて予測可能性や信頼性が低く、検索トラフィックの補完的なものとと考える必要があります。つまり、検索エンジン トラフィックの特定の検索ニーズを満たすようにコンテンツを作成、最適化することはできますが、Discover での興味や関心との一致を明示的にターゲットとするコンテンツを作成する方法はありません
つまりSEOではDiscoverでの表示にはあまり効果を発揮しないということになります。
Discoverを狙うには
DiscoverにはDiscoverの表示の仕組みがあり、それに沿ってコンテンツを制作していけば表示されやすくなります。キーワードや構文、構造化データなどSEOの内部構造の要素ではなく、コンテンツとして重要な点が2つあります。
- Googleのポリシーに反していないこと
- ユーザーの関心を引くと思われる魅力的で優れたコンテンツであること
まずGoogleのポリシーに反していないことですが、Discoverのコンテンツポリシーを確認してください。(Discoverのコンテンツポリシー)
わざわざDiscoverのコンテンツポリシーとありますが、ウェブマスター向けガイドラインにあるポリシーと同じです。
次にユーザーの関心を引くと思われる魅力的で優れたコンテンツであることですが、コンテンツを制作上での注意点がいくつかあります。
クリックベイトしない
クリックベイトとはネット上の虚偽・誇大広告の一つ。タイトルや画像、スニペットに誤解を招くようにしたり誇張した内容もしくはわざと情報を伏せてクリックをさせるようなことはしない。また刺激的な内容や怒りを煽る、病的に好奇心を掻き立てることで注目を集めてはいけない。JAROで言う「嘘・大袈裟・紛らわしい」といったところです。
情報性や独自性のあるコンテンツである
その時々の興味関心を押さえたコンテンツや独自性のあるコンテンツ、ストーリー性がありその内容が伝わるコンテンツを作る。フロー型コンテンツは新しい情報に随時更新されていくので、ユーザーが興味を持つためにも情報の鮮度は重要です。
情報の透明性と関係構築
日付、署名、各種の情報(著者、出版物、サイト運営者、関連する会社やネットワーク、連絡先)を提供し、コンテンツの透明性を高めることでユーザーが安心できる信頼関係を構築する。定期的にサイトを訪れるユーザーはサイトと信頼関係があると言えます。
魅力的な画像とサイズ
魅力的な高画質の画像、大きい画像をコンテンツに含めることでDiscoverからのアクセスは期待ができる。サイズの大きい画像は、幅が1,200px以上で、プロパティでmax-image-preview:large で表示サイズの調整、またはAMPに対応させる。ただ大きい画像をコンテンツに使うのではなく、AMP対応が良いことからも読み込みが高速である方が良い。画像の注意点としてはサイトのロゴを画像として使用しない。
コンテンツ制作についてはコンテンツマーケティングでSEOを意識してするのと同じです。それは「専門性が高い(Expert)」、「権威がある(Authority)」、「信頼できる(T)」の3つがページに多くあること重要で、SEOとなんら変わりません。キーワードや情報性の高さなど求める部分が検索とDiscoverでは若干異なりますが、コンテンツに適用されるE-A-Tに関する原則はほぼ同じです。
まとめ
Discoverは検索とは表示場所が違うし、ユーザーとの情報の関わり方、つまり検索とは真逆の検索不要のコンテンツ表示です。モバイルがさらに進化することでDiscoverフィードが強化され、ユーザーの興味関心がある情報が次々と差し込まれるようになります。
キーワードを狙う直接的なSEOはあまり効果はありませんが、ページのコンテンツを作る考え方としては有益な情報のあるコンテンツでSEOを仕掛けるのとなんら変わりません。今はまだ検索トラフィックの補完的なものですが、今後サイト管理者はDiscoverも意識する必要が出てくるでしょう。
<この記事のポイント>
・GoogleサービスでのユーザーのアクティビティによりDiscoverに表示されるコンテンツが変化
・SEOのようにキーワードを狙いでは表示できない。情報の鮮度が重要。
・コンテンツ制作はSEOと同じE-A-Tを考えてものにする必要がある
Leave a Reply