コロナ禍によって人との接触を避けたりするようになり、これまで対面型のビジネス、特に地域に根ざしているローカルビジネスで苦戦しているところが増えてきました。熊本も例外ではなく、知名度があるところでも来店数が激減したり、イベント中止によって苦しくなったりとビジネスへの影響が甚大になっています。このような状況だからこそウェブでの集客が注目されており、今回は熊本のローカルビジネスで役に立った2つの広告をご説明します。
ローカルビジネスに有効なウェブ集客
インターネットが普及しローカルビジネスにもデジタルを活用した方が良い、活用すべきというデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れが来ていました。システムやオペレーションのデジタル化からサイトの制作、動画によるプロモーション、SNSによる顧客との関係構築などローカルビジネスでもデジタル化で成長につなげることができたのですが、コロナ禍によりこれまでのビジネスのあり方だけでは生き残れないとなってしまったため、強制的に短期間で対応しなくてはいけない時代になりました。
特にローカルビジネスではこれまで特に努力しなくても近所の人が来ていたようなビジネスでは集客面での強化が緊急の課題となっています。小売をメインとするビジネスではECに踏み込んだりしていますが、EC化できないビジネスの場合はどうすれば良いでしょうか。答えはシンプルでデジタルの分野での露出拡大を目指すことです。コロナ禍によって人の動きに心理的・物理的な制限がある今、ローカルビジネスでもウェブを活用した集客を強化し競合を突き放す、場合によっては競合から離されないようにしなくてはならないでしょう。
広告を使う前に理解したいサービス
ローカルビジネスで広告を活用する前に抑えておかなければならないサービスがあります。1つはGoogleマイビジネスで、もう一つはFacebook、Instagram、TwitterといったSNS(ソーシャルネットワークサービス)です。どちらも無料で始めることができ、もうビジネスを始めるのであればデフォルトでしょ!というくらいに必須なツールとなりつつあります。
またこれらは広告との親和性が高いので広告を効果的に使う意味でも理解をする必要があります。
絶対必須はGoogleマイビジネス
ローカルビジネスがデジタルでの露出を拡大するために必須なものとしてGoogleマイビジネスがあります。マイビジネスとして登録することでGoogleにビジネスの拠点として認識させるほか、自社サイトを構えなくてもウェブ上に自身のビジネス・商品・サービスを公開することが可能になります。また口コミを集めることによって第三者評価を得たり、投稿者とのコミュニケーションをとることも可能です。
ユーザーの検索がローカル検索と判断された場合にマイビジネスのカードやマップにピンで表示されるので地域に根ざしたローカルビジネスには欠かせません。もちろんSEO同様、マップでのローカル検索で優位にするためにMEOも効果的です。
Googleはユーザーにとって価値の高い情報を提供したがっているので、マイビジネスも価値の高いものにしていく必要はあります。
使い方が大切なSNS
様々なSNSがありますが、顧客となるユーザーがよく利用するサービスを活用することが大切です。やれインスタだ、Facebookだ、ツイッターだ、と拡散されることで「バズる」イメージが先行しますが、SNSの管理にも手間がかかるため効率的に利用していく必要があります。
ツイッターの利用者が男女共に若い、インスタは20代女性を中心に利用者が多い、LINEやYOUTUBEは50代でもそこそこ利用されている、などサービスの特徴を理解していなければ力を入れても空振りになります。
主なSNSの利用率(2016年 全体・性年代別)
(出典)総務省情報通信政策研究所「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
例えば自社のサービスのターゲットが若く、情報性(情報の鮮度)の高いものであれば抜群にツイッターの反応が良いでしょう。また工夫のないただの宣伝を繰り返すと価値のない情報として判断されてしまうので、共感されることが重要になります。
自社のSNS運用に失敗するのは、たいていがターゲットを考えずに独りよがりな投稿をし続け、レスポンスがないことで運用者の心がぽっきり折れるパターンが多いです。
熊本のローカルビジネスで役に立った広告
GoogleマイビジネスにしてもSNSにしてもそれぞれに特徴があり、ただ使えば良いというものではないことがわかったと思います。考えて運用することが大切なのですが、やはり成果を出すまでに時間がかかるし広がりも遅いです。この時間と広がりを補う部分で広告を使うのが一番効果的です。
Google広告を使った集客
Google広告の場合は広告表示オプションの住所表示オプションを使うことで広告の地域性が格段に上がります。住所表示オプションを使うにはGoogleマイビジネスとGoogle広告アカウントのリンクが必要ですが、そのメリットは広告運用時にもたくさんあります。
- 検索広告の通常のテキスト広告と一緒に店舗の住所と電話番号が表示される。
- Googleマップの検索結果の横、上、または下に表示される。
- ユーザーが店舗の近くにいる場合や関心を示している場合は、ディスプレイネットワークのサイトやアプリに表示される可能性がある。
- ユーザーが店舗の近くにいる場合や関心を示している場合は、YouTubeのインストリーム広告やバンパー広告に表示される可能性がある。
そしてGoogle広告の場合、広告を経由したユーザーがGoogleマイビジネスやGoogleマップでエンゲージメントが発生した場合にローカルコンバージョンを計測することができます。実際に熊本でもローカルビジネスに広告を活用されているところも多くあり、「熊本 ●●」で表示されるのローカル検索広告経由で経路やその他のエンゲージのコンバージョンが発生したユーザーの来店をしっかり確認されているクライアントもいます。このクライアントはマイビジネスも上手に活用されています。
SNS広告を使った集客
SNSでの投稿は基本的にはフォローされている人のフィードにしか出てきません。人気のハッシュタグを使ったり、いいね!をされたりシェアされることでの拡散によって目にする機会は増えますが、ビジネスでの投稿がシェアされることはほとんどありません。そのためSNSを活用するにはフォロワーを積極的に獲得し維持していくことが大切ですが、これには時間と労力がかかります。
ではどうやって多くの人に見てもらうか?と考えると、手っ取り早い方法が広告を使うことです。ユーザーの属性や範囲を決めて広告を配信することでフォロワー以外の多くの人に投稿を見てもらうことが可能になります。ただSNS広告は配信対象者の絞り込みが肝心で、ここを間違うと効果はなかなか出ない、もしくはあっという間に予算消化してしまいます。
またSNS広告は記事の目的によって考え方も変わります。記事のエンゲージを獲得するのか、記事からサイトへのアクションを起こしたいのか、認知を獲得したいのか、コンバージョンを獲得したいのか。広告も目的に合わせた配信を選ぶことが必要です。
熊本の会員制サービスを提供するクライアントでもFacebookを使っての通常の投稿を広告として拡散しエンゲージを獲得しているパターンと、サイトへの誘導での申し込みを獲得する広告を使い分けて実績を上げるところもあります。Facebook広告で言えることはいかに細かなセグメントが嵌るかということと、通常の投稿でよくエンゲージを取れるところほど広告の効果も高いです。
まとめ
インターネットで地域の情報を得ることができるようになったことでローカルビジネスでもインターネットを活用する必要が出てきました。大通りの路面店であれば人目につくかもしれませんが、スモールビジネスだと人目につかない方が多いと思います。
ローカルビジネスではいかに周囲の人の情報との接点の部分に、ビジネス情報を見せることができるかが鍵となります。そのための基本的な準備がこれまではウェブサイトを持つことでしたが、今ではGoogleマイビジネスとSNSの活用が中心になっています。
GoogleマイビジネスやSNSは無料で始めることができ、コツコツとやっていけば行くほど強固なツールとなり情報が広がります。そして広告はさらにその広がりを圧倒的に大きくすることができ、これまで情報が届かなかった近くの人たちに届けることができるになります。集客にコストを掛けるのを嫌がり、たまたまシェアされることに期待する人が多いですが、販促時期やイベントなどには広告を活用してリーチの母数を増やす方がローカルビジネスとしては正解でしょう。
<この記事のポイント>
・ローカルビジネスでは無料で使えるGoogleマイビジネスとSNSは必ず使う
・マイビジネスもSNSも広告を使うことで格段に情報を届けることができる対象者が増える
・ローカルビジネスは販促やイベントでの広告を活用すべき
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