初めて広告を使う時に広告費はどのくらい必要か?

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新しく広告を始めるようとする人からよく広告予算の相談をされることがあります。一体いくら用意すれば良いのか、どのようにして広告費の予測を出せば良いのか。ある程度広告を使ってみると感覚的にもわかりますが、初めて広告する人には全くわからないと思います。えい、やっ!と決めてしまってすぐに運用をして改善していけば良いだけなので大袈裟に書く必要は無いのですが、今回は初めて広告を使う場合の広告費の見積もりについてご説明いたします。

確保したい広告費の考え方

広告費については結論から言えば、可能な限りということになります。つまりビジネスとして成立する分で出せるだけ出すと良いということです。アカウント開設にあたってよく毎月広告費はいくらほど用意したほうがいいですか?と尋ねられます。そしてこの質問の真意は「出来る限りコストをかけずコンバージョンをたくさん取るにはいくら必要ですか?」ですが、運用実績も何もないアカウントであるため適切な金額の判断ができず、この時点では投入可能な限りの金額がベストと言えます。

運用型広告の場合、テレビやラジオCM、雑誌広告、新聞広告のように広告費固定での広告枠ではなく、実際に広告がクリックされたときに発生する費用が広告費になります。設定するクリック単価や競合の広告出稿状況また検索数によって広告の表示回数が変化し、それに比例してクリック数も変化します。そのため一定額の広告費と言うものははっきりと言うことができません。ただ1日あたりの予算は決定することができるので上限と言う意味では広告費の設定は可能です。
広告費
キーワードによっては入札単価も高くなります。入札単価が高いキーワードはそれだけ競合の出稿や検索量があるため、予算が多くあると広告の効果は見込めます。逆に入札単価が低いキーワードは競合も少なく検索量も少なめです。そのため自分のビジネスに関連するキーワードによっても必要となる広告費は変わってきます。

それでも広告費がいくら必要かを決める必要があるので、あくまでも目安となる金額を算出するを理解しておくと便利です。

クリックから広告費を考える

広告を使う最大の目標は多くの場合が広告を経由してサイトでコンバージョンが発生することです。ウェブの場合そのコンバージョンに至るプロセスを全て指標で判断することができるため、指標を仮定することができれば獲得したいコンバージョン数に対してどのぐらい広告費が必要かを逆算することは可能です。

まず獲得したいコンバージョン数を考えるのですが、次の式が成立します。

コンバージョン数 = アクセス数 × 転換率
= クリック数 × 転換率

アクセス数は広告の場合だとクリック数になります。この式からクリック数を求めると

クリック数 = コンバージョン数 ÷ 転換率

となります。ここで転換率を何%かに仮定することができれば、獲得したいコンバージョン数に対して必要なクリック数が分かります。クリック数がわかれば、クリック単価をかけることで広告費を見積もることができます。

広告費 = クリック数 × クリック単価

クリック単価はGoogle広告のキーワードプランナーやYahoo広告のキーワードアドバイスツールを使用すれば、キーワードの最低入札額から最高入札額まで過去の単価を知ることができます。ただ単価も幅があるため、極力高めの金額で計算した方が良いです。

利益から広告費を考える

別の広告費を決定する方法として利益から考えることもできます。1件のコンバージョンで獲得できる利益からどの程度広告費に回せるかを決定するのですが、これをCPA(顧客獲得単価)と呼びます。そして利益がゼロになるまで広告を使うことを限界CPAと呼びます。この限界CPA以上に広告費がかかると赤字になるためビジネスとして機能していません。またライフタイムバリューでCPAを考えることができれば、広告運用にもゆとりが出ます。

広告費 = 限界CPA × 獲得したいコンバージョン数

こちらの方法であればコンバージョン率を仮定する必要はなく、ギリギリ赤字にならない広告費と言うものを見極めることが可能です。

例えば売値が5000円で利益が3000円見込める商品Aを100個売りたい場合、限界CPAを3000円なので・・・

広告費 = 3000 × 100 = 300000円

単なる掛け算のなので算出は難しくありませんが、ここで注意する事はCPAを低く見積もることではなく、上限として必要な広告費として考えることです。(関連記事:なぜ目標CPAに誤りがあるとCPAは達成されないのか

ローカルビジネスを展開している場合、ECのようにコンバージョン=購入ということにはなりません。お問い合わせや電話問い合わせなど様々な形でコンバージョンと考えることができます。見込み客からのお問い合わせや電話問い合わせをコンバージョンとして計測することができれば、次はそのコンバージョン1件の価値を決めると良いです。その価値こそ限界

まとめ

広告を始めるときにいくらぐらい広告費が必要か?という問いに対して最適な回答は出てきません。自分で出せると判断した金額がどうにか運用を初めて最適解を求めて改善していくしかありません。そのため最初の金額には数字の裏付けが必要であり、広告費を因数分解して逆算していくとおおよその目安にもなります。

もちろん肌感覚で初めても問題はありません。少額であればインプレッションこそ大きく落ちると思いますが、時間やオーディエンスに対して制限をかけたり、キーワードの大幅な絞り込みなどで多少なりと精度・成果を上げることはできます。もちろん十分な金額であれば問題はありません。運用型の広告は稼働すれば稼働するほどデータは蓄積していくので最適化もしやすくなります。また検索広告の場合は広告費が多いからといって全てを使い切るというわけでもありません。そもそもの検索ボリュームも影響してくるので、最初は自分はどのくらいコンバージョンを獲得したいかを考え、そのコンバージョン数から逆算して納得のいく金額を用意する方が望ましいです。

<この記事のポイント>

・最初の広告費は獲得したいコンバージョン数から逆算する。

・もちろん勘に頼ってもいいが、数字の裏づけがあるほうが望ましい。

・広告は十分に稼働した方がデータは蓄積する。

About Daigo Hirano 52 Articles
広告代理店や飲食業を経てECへ。熊本を根城にしてウェブ解析やウェブ広告の運用代行、SEOコンサルタントなどウェブ集客に特化した広告代理店をはじめました。 ウェブ広告はGoogle広告、Yahoo広告などのリスティング広告のほか、Facebook広告などSNS広告も行っております。 熊本・福岡・東京を中心に、大手代理店にお願いできない中小企業にスキルと知識を用いて集客支援をしています。

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