広告の効果測定に重要な3つのポイント

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ウェブ集客を行うと今やっていることは効果があるのだろうか、という疑問に行き着くと思います。効果を実感できなければSNSで投稿は辞めたい、広告費ばかり掛かって辞めたい、と活動を縮小してしまいがちです。その効果を正しく知ることで積極的に進めるべき戦略か取りやめるべきかも判断しやすくなります。そこで効果測定を行う上で重要なポイントをご説明します。

広告の効果測定の重要性

テレビCMや新聞広告、折り込みチラシなどオールドメディアとSEO対策やウェブ広告、SNSを使った集客などニューメディアがありますが、目的や対象が違えばメディアの使い方も大きく分かれます。オールドメディアもニューメディアもどちらかが優れているということではなく、対立するものでもありません。本来はそれを補完する関係にあります。

ただニューメディアはオールドっメディアと違ってデジタルに特化しているので、様々な指標が数値化されています。そのためオールドメディアより遥かに効果測定がしやすくなっています。
例えば、認知を獲得するために折り込みチラシを活用するのであれば特定のエリアに20万部配布という形で出すわけですが、実際に配布物がどのくらいの人目に晒されたのかは計測できません。同様の認知獲得のためにウェブ広告、例えばGoogleのディスプレイ広告を同じエリアで配信を狙う場合、配信前には人数の見積もりがわかるし、配信後には実際どのくらい視認範囲で広告が表示されたかというものが計測できます。効果が正しく計測されるということは適切な予算を見極めてマーケティングを行うことができるので、効率の良い戦略を考えることができます。

広告の効果測定する上で大切な3つのポイント

ではウェブ広告を活用した場合、その効果はどのように判断すれば良いのでしょう。ポイントは大きく3つあります。

  • 目的・目標を明確にする
  • 差分を考える
  • アトリビューション分析をする
この3点を抑えることで、ぼやっとしがちな広告の効果を形づけて認識することができます。

目的・目標を明確にする

効果測定をする上で目的目標の違いをはっきり理解しておく必要があります。いわゆるKPIですが目的とは広告で達成したいゴール、いわゆるコンバージョンのことで、目標はコンバージョンに必要な指標であり、その指標で必要な数値のことと言えます。

  • 目的:広告で達成したいゴール、いわゆるコンバージョン
  • 目標:コンバージョンに必要な指標で必要な数値
例えば、インターネットの通販サイト「どすこい農園」で食料品を販売している場合、広告での目的は「購入してもらうこと」であり、サンクスページに計測タグをつけることでコンバージョンとして集計することができます。この目的が計測できてこそ目標の分析に正確さが出ます
次に目標ですがこの販売サイトの転換率が4%の場合、200件のコンバージョンが欲しい場合は必要なアクセスは5000です。自然検索経由が1000とすると足りない分の4000を広告で集める必要があるため、獲得したいアクセス数は4000になります。この「獲得したいアクセス」がクリック数の目標になります。

獲得したアクセス

さらに言えば「獲得したいクリック数」を考えると広告のクリック率が影響しますが、その母数であるインプレッション数が重要であり、そこから「獲得したいインプレッション」がクリックを獲得するためにの目標になります。もし広告全体でクリック率が10%とすると獲得したいインプレッションは40000ということになります。この例であればサイトで200コンバージョン獲得するには広告で40000インプレッションを獲得する必要があります。

獲得したいインプレッション

実際にはこのように皮算用通りには行きませんが、目標を考えるプロセスでは重要です。

差分を考える

効果測定をする場合、実施前と実施後にどのような変化があったか差分を考える必要があります。ある指標で目標の数値に到達した時、どこに一番変化があったのかを見極める必要があります。

例えばインプレッション数が目標だった時、インプレッションに影響がある要因を考える必要があります。上限クリック単価を引変更する、キャンペーン予算を変更する、そもそもの検索量の増減、競合の入札状況など考えられます。クリック数であれば広告文や広告表示オプションの有無、表示されたユーザーの属性などが考えれます。
もし差分に気づかないようであれば「結果的に良し!」ということになり、次の広告での効果の再現が低くなります。

アトリビューション分析をする

近年の効果測定ではユーザーの心理や行動を考えることがとても重要になります。ユーザは情報に触れる機会が多く、一回の行動で物事を全て決定しているわけではありません。能動的・受動的にかかわらず、色々な角度から情報と接しておりウェブでの行動までに多くのタッチポイントが発生します。

例えば「どすこい農園」と検索した人が広告を経由して大根を購入した場合、コンバージョンに繋がったキーワードは「どすこい農園」です。では「どすこい農園」の上限クリック単価を上げて露出を拡大すればもっとコンバージョンを獲得できると行けるでしょうか。答えは状況にもよりますがノーと言えるでしょう。
ここで考えることは、購入者が指名検索をする前にどこで「どすこい農園」と認知したか、ということです。何か別の媒体(新聞や折り込み)で名前を覚えた、一度サイト訪問したことで名前を覚えた、とか既に顧客だからとか色々考えることができます。つまり、指名検索をする前に何かしらの接点が発生しているということです。
仮にあるユーザーが「美味しい 大根」で検索したときに現れた広告をクリックしサイト訪問。その時購入はしなかったけど名前を覚えて後日「どすこい農園」で検索。表示された広告をクリックして大根を購入・・・。このような流れだと最後にクリックされたキーワードは「どすこい農園」ですが、最初にクリックされた「美味しい 大根」というキーワードでの広告がなければこのユーザーのコンバージョンは発生していなかったかも知れません。
このコンバージョンに関わるユーザーのタッチポイントを全て評価することをアトリビューションといいます。Google広告では検索広告アトリビューションを分析するツールが使えるので、検索広告でタッチポイントとなったキャンペーンや広告グループ、キーワードを見ることができます。また最近では広告のクリックだけではなくYoutubeの視聴も対象になり、動画の視聴からの検索というアトリビューション分析も可能になっています。(関連記事:Google広告のコンバージョンを理解する〜アトリビューションモデル編

検索経路例

またGoogleアナリティクスを使えば、有料検索→自然検索というような広告以外のタッチポイントを持つコンバージョンも経路の分析ができます。タッチポイントがコンバージョンにどのくらい貢献しているのかを正しく評価してこそ、マーケティング戦略の精度も上がってきます。

まとめ

デジタルを活用することで効果測定が容易になりますが、正しく効果測定をしなければ広告を使ってみただけで終わりで資産として何も残りません。ユーザーの行動が複雑になればなるほど効果測定を行うことが重要になります。

またそれはデジタルだけではなくアナログなものも合わせて考える必要があります。ユーザーのタッチポイントは様々で、デジタルに限らずアナログのタッチポイントも普通に存在します。ただアナログの場合はいかに簡単に集計するか、デジタルと融合するか、も考える必要があります。総合的にタッチポイント全てを評価できれば効果測定も精度を増し、次のマーケティング戦略立案に大きく役立つので積極的に測定・分析していきましょう。

<この記事のポイント>

・目的・目標を明確にし、計測できるよう設定する。

・違いである差分を理解することで再現性が高まる。

・増えたタッチポイントを正しく評価するにはアトリビューション分析が必要。

About Daigo Hirano 52 Articles
広告代理店や飲食業を経てECへ。熊本を根城にしてウェブ解析やウェブ広告の運用代行、SEOコンサルタントなどウェブ集客に特化した広告代理店をはじめました。 ウェブ広告はGoogle広告、Yahoo広告などのリスティング広告のほか、Facebook広告などSNS広告も行っております。 熊本・福岡・東京を中心に、大手代理店にお願いできない中小企業にスキルと知識を用いて集客支援をしています。

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