サイトへの流入元が多様化している現在、コンバージョンの捉え方も変わってきています。1回の訪問ですぐにコンバージョンに至らず、数回の訪問を経てコンバージョンをした場合、どの流入元を評価するのか。コンバージョンに至るまでのユーザーの接点を把握し、隠れた貢献を評価するときにマルチチャネルは有効です。
今回はそんなマルチチャネルについてまとめます。
マルチチャネルとは
マルチチャネルとはGAの「コンバージョン」メニュー内で確認できるもので、販売やコンバージョンに至るまでの30日間(最大90日間)のチャネル(流入経路)を知ることができます。つまり、コンバージョンに至るまでのサイトの接触したチャネルがわかるので最初の接触チャネルを評価しやすくなります。
例えば、最初に「有料検索」でサイトに訪問しその時は購入せず、2日後にサイトを検索して「自然検索」での流入時にコンバージョンが発生した場合、GAの「集客」レポートでは「自然検索」にコンバージョンが記録されます。しかし、マルチチャネルではサイトの接触が全て記録されるため、一番最初に接触が起きた「有料検索」もコンバージョンに貢献している事がわかります。
一つのコンバージョンをなし得る複数(マルチ)の流入元(チャネル)というわけです。
マルチチャネルグループ(MCF)
マルチチャネルではチャネルグループ(MultiChannelFunnel)によって「コンバージョンに繋がったトラフィック」にチャネルが紐づけられます。特に設定していなくてもデフォルトのMCFが存在します。デフォルトチャネルグループを扱い方は同じで、カスタムチャネル同様自分に合ったマルチチャネルを作ることもできます。
レポート内で使うチャネルグループはMCFが初期状態として設定されていますが、デフォルトチャネルグループやカスタムチャネルグループを使うこともできます。
ノーリファラーの扱い
MCFではノーリファラーによるコンバージョンの扱い方が通常のGAのレポートとは違ってきます。例えば、最初が自然検索で訪問だったユーザーがブックマークを行い、翌日ブックマークを使ってサイトを訪問した後コンバージョンが発生した場合、MCFでは一番最後のチャネルが「Direct」になりますが、それ以外の「集客」などのレポートではブックマークなどの「Direct」は表示されず、その前のセッションである自然検索が表示されます。
マルチチャネルを使う
GAでのコンバージョンの分析にはマルチチャネルを使うことができます。マルチチャネルでは「アシストコンバージョン」「コンバージョン経路」「所要時間」「経路の数」の分析を行うことができます。あくまでもコンバージョンにつながっているトラフィックだけの分析になります。
アシストコンバージョン
このマルチチャネルを使うことで、コンバージョン経路には存在するけど直接のコンバージョンではないアシストコンバージョンを正当に評価することで、広告の間接効果を知ることができます。
またチャネルだけでなく、参照元やメディアによるアシストも確認でき、間接効果や直接効果、直間比率を見ることでアシストによるコンバージョンへの貢献の高さを見ることもできます。
コンバージョン経路
コンバージョンに至ったトラフィックの接触回数やその経路を視覚的に捉えることができます。選択時はMCFで設定しているチャネルに分類されています。このコンバージョン経路はカスタムチャネルグループでも見ることができます。
セカンダリディメンションでは「Adwords」と「集客」が設定できるので、検索クエリからつながるコンバージョン経路を確認することができます。これにより間接的に効果のあるキーワードへのキャンペーンも起こしやすくなると思います。
所要時間
コンバージョンが発生したトラフィックにおいて、最初の接触からコンバージョンまでどのくらい日数がかかっているかを知ることができます。
Adwordsと連携しているのであればAdwords経由も一目でわかります。
これによりリマーケティングリストの精度あげることができ、またリストに合わせた入札単価のコントロールも行いやすくなるでしょう。
経路の数
コンバージョンが達成するまでに発生した接触回数の数です。これにより販売サイクルの長さを知ることができます。「所要時間」と違いユーザーとの接触回数で見ることができるため、一定数の接触回数でコンバージョンにつながることがわかればその接触回数を目標にアクションを起こすこともできるでしょう。
チャネルを正しく評価し、見過ごしを防ぐ
マルチチャネルはコンバージョン分析をさらに掘り下げていくことに利用できます。コンバージョンに間接的に貢献したと思われる接触がわかるので、ディスプレイ広告やキャンペーンなども評価ができるようになります。
間接的に有効なマーケティングキャンペーンが見つかれば、これまで見過ごすことで取り漏らしていたターゲット対してアクションが取りやすくなります。この見過ごしを防ぎ、キャンペーンを展開することで取り漏らしていたコンバージョンをより獲得できるでしょう。
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