2017年10月にAppleより発表があったITP(Intelligent Trafic Prevention)。これは今後ウェブ広告に大きな影響を与えるものとなりました。
特に自社サイトへのアクセスするデバイスの種類でiPhoneが多かった場合、広告を使ったマーケティングプロモーションに大きく関わって来るでしょう。
今回、このITPに対応するためAdwordsよりアナウンスのあった設定内容のご説明です。
ITPとは
ITPとはAppleが発表したiOS Safari11にてサードパーティーのcookieによるトラッキングを防止する機能のことです。
サイトのドメインによるcookieがファーストパーティーのcookieとなり、サイトに含まれる別企業などのタグのcookie情報がサードパーティーのcookieにあたります。
つまり、すべてのインターネット広告はサードパーティーのサービスになるため、今後Safariでは広告配信や計測に大きな影響が出てきます。
ITPによる影響
ITP下においてはcookieの保持期間が極端に短くなっています。そのため、広告経由でサイトに訪問したものの購入は2日後になったりするとコンバージョンが計測されません。また、cookieの保持期間でセグメントしたリマーケティングも行うことはできません。
現在、SafariだけではあるもののiPhoneのデフォルトのブラウザがSafariであることから、GDNやCRETIOなどのディスプレイ広告への影響は出てくると思われます。
AdwordsによるITP対応方法
GoogleはAppleのITP発表を受けて、AdWordsで3パターンの対処方法を発表しています。
Google Inside AdWords参照(要英訳)
グローバルサイトタグを全ページに設置して置くことで対応します。
その1・サイト全体にグローバルサイトタグ(gtag.js)を設置する
AdWordsが発行するグローバルサイトタグを設置し、コンバージョンページにのみイベントを測定する方法です。
1・Adwordsの管理画面右上の(スパナマーク)から「コンバージョン」を選択します。
2・該当するコンバージョンアクションを選択します。
3・「タグを設定する」を開きます。
4・出てきた「グローバルサイトタグ」をすべてのページの<head>~</head>に設置します。
5・コンバージョンを集計するためのスニペットをコンバージョンを計測するページの<body>~</body>内に設置します。
その2・GoogleアナリティクスアカウントとAdWordsアカウントをリンクする
Googleアナリティクスを使用して、エンゲージの計測をしている場合にできる方法です。
この方法ではサイトのドメインに設定されたGoogleアナリティクスCookieに、広告クリックのGCLID(Google クリック ID)が保存されます。アカウントとタグが正しく設定されていれば、AdWordsコンバージョントラッキングタグはこのGoogleアナリティクスCookieのGCLIDを使用できるようになります。
コンバージョンの計測を行う場合は「自動タグ設定」だけではなく、アナリティクの目標からのコンバージョン設定まで行う必要があります。
1・アドワーズのアカウント設定で「自動タグ設定」にチェックを入れ有効にします。
チェックを入れることでクリック情報にURLのパラメータが含まれるようになります。
2・コンバージョンに計測したい内容(到達ページなど)で、Googleアナリティクスのビューに「目標」の設定を行う。
3・Adwordsの管理画面右上の(スパナマーク)から「コンバージョン」を選択します。
4・新規にコンバージョンアクションを作成するため「+」をクリックします。
5・「インポート」を選択し、インポートするコンバージョンで「Googleアナリティクス」を選択します。
6・青い「続行」をクリックします。
7・コンバージョンに設定したいビューと目標を選択する。
青い「インポートして続行」をクリックします。
青い「完了」をクリックします。
その3・Googleタグマネージャを使用する
Googleタグマネージャ(GTM)を使用している場合は、ページの変更などなく「コンバージョンリンカー」を設定するだけでOKです。
ランディングページのURLに含まれる広告クリック情報が自動的に検出され、その情報がドメインのファーストパーティのCookieに保存されます。
1・GTMのタグ管理画面で赤い「新規」をクリックします。
2・名前を「コンバージョンリンカー」として、タグタイプからおすすめの「コンバージョンリンカー」を選択します。他の設定は一切不要です。
3・トリガーは「All Page」を選択します。
4・右上の青い「保存」をクリックします。
今回、Adwordsの対応でしたが、他の広告もすべて同じ問題を持っています。ヤフープロモーション広告は影響はないようですが、DSP広告など影響を受ける場合があるので各広告サービスに確認すると良いでしょう。
Adwordsは2018年7月にGoogleマーケティングプラットフォームへの動きに合わせて名称をグーグル広告に変更しました。
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