CVRをKPIにしてはダメな理由

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ウェブサイトをビジネスに活かすためにはまず目標を設定することが大切です。この目標とは商品の購入であったり、顧客獲得やサポートによる問題解決などあるでしょう。そしてその成果を考えるときに読み解く指標としてCVR(転換率)があります。このCVR、使い勝手がいいので何かとKPIとして扱いがちです。しかしページの改善の成果をはかる指標としては不完全な指標であるため正しく使い分ける事が大切です。そこでKPIがピンときていない人のために、CVRをKPIにしてはダメな理由をご説明します。




CVR(転換率)とは

まず、CVRはなんなのか考えてみましょう。ウェブサイトを有効活用するには目標を設定することが大前提です。冒頭の部分に書いていますが、それは商品の購入であったり、リードや顧客獲得だったりします。これはウェブサイトの目的によって大きく変化します。例えば商品の販売が目的とするウェブサイトとブランディング目的ノウェうサイトであれば目標が違ってくることは明白です。

色々な目標がある中、目標が達成されることをコンバージョン(CV)と表現します。元々は「変換」や「転換」といった意味を持ち、ウェブサイトでなんらかの理由で訪れたユーザーの行動が価値ある行動に「転換」されたと考えれば理解できるでしょう。

そして、サイトへのアクセスに対してのコンバージョンの割合をCVR(転換率やコンバージョン率とも言う)と言います。

CVRをKPIにしてはいけない理由

ウェブサイトがビジネスに貢献していると考える場合、1コンバージョンがいくらになるのか考える必要があります。ECのように商品の販売であれば購入代金がこれに当たりますし、リード獲得であれば成約率を加味した単価が設定されるでしょう。このようにコンバージョンの単価を設定することで次の式が成り立ちます。

収益 = アクセス数 × CVR × コンバージョン単価

ECでよく見る式に変換するなら、

売り上げ = アクセス数 × CVR × 客単価

と言う式になります。この式を見ればアクセス数を増やす、CVRを良くする、客単価を増やすと言うことができれば売り上げアップにつながることがわかります。

CVRはより細かく分解できる

それではなぜCVRをKPIにしてはダメなのか。それはほとんどの場合、CVRを構成する要素が一つではないからです。

先ほどのECで良く見る式ですが転換率の中に直帰率や離脱率の要素が含まれています。

売り上げの方程式はこのようになりますが、アクセス解析の視点で見ればCVRは次のようになります。

アクセス数はセッション数、客単価は注文単価と同じ考えることができます。大きく違うところはCVRに当たる部分で、直帰率やカート投入率、カート完遂率といった指標が出てきます。これがECではなくリード獲得が目的であればフォーム遷移率やフォーム完遂率といった指標になります。

この式から考えると、CVRを良くするには直帰率を下げる、カート投入率を上げる、カート完遂率を上げるといったことで成果を得ることができます。つまり、この場合KPIにすべきものは直帰率、カート投入率、カート完遂率といったCVRを細分化した指標と言うことになります。

KPIが目標を達成するための指標であることから、管理する上でもその要素は単一のものが望ましいです。そのためCVRのように複数の要素を持つようなものはKPIに向きません。

サイト改善の指標にしない

上の図はランディングページからコンバージョンが発生するまでのページ遷移の例です。ウェブサイトの改善でCVRを良くするためには、ページの改善を行うのですが、それはランディングページからサンクスページまでのコンバージョンプロセス上にある全てのページが対象となります。また改悪やシステム上のなんらかのエラーが発生すると逆にCVRが低下することも起こり得ます。

CVR改善と意気込んでランディングページ改善に着手したとします。実際に直帰率を下げたり、カート投入率を改善したとしても、何かシステム上の不具合があり入力フォームの部分で離脱が発生したら全体的なCVRには変化は見えにくいでしょう。直帰率やカート投入率、ページの遷移率であればどこに変化が生じたかを追うことができますが、CVRで見るとその細かい変化点を掴むことができません。そのためCVRはサイトを改善するときのKPIにはしない方が良いです。

まとめ

CVRは複数の要素を含んだ指標と言うことがわかったと思います。サイト全体やランディングページからコンバージョンまでの一連の流れを見る上ではCVRは大変役に立つ指標です。ただ、ピンポイントで行うようなサイトの改善には変化をおう事ができる指標の方が適しています。

全体の傾向として話をする場合、指標が小さいと全体像がわかりにくいところがあります。CVRはそんな時に判断できる中間的な指標として使ってはどうでしょうか。

<この記事のポイント>

・CVRの改善はランディングページからコンバージョン発生までに通過する全てのページが対象となる。

・ページの改善にはCVRを指標とせず、さらに細かい指標をKPIとした方が良い。

・CVRは全体を見る中間的な指標として使う。




About Daigo Hirano 52 Articles
広告代理店や飲食業を経てECへ。熊本を根城にしてウェブ解析やウェブ広告の運用代行、SEOコンサルタントなどウェブ集客に特化した広告代理店をはじめました。 ウェブ広告はGoogle広告、Yahoo広告などのリスティング広告のほか、Facebook広告などSNS広告も行っております。 熊本・福岡・東京を中心に、大手代理店にお願いできない中小企業にスキルと知識を用いて集客支援をしています。

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